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〒340-0043 埼玉県草加市草加4-5-1 ごとう整骨院内
人間の神経には、自分の意志でコントロールできる神経と、できない神経があります。全身の筋肉(骨格筋)を動かすのは自分の意志でできるので、運動神経は随意神経です。しかし心臓や消化管などを動かしているのは自分の意志ではありませんから、こういった神経を不随意神経といい、循環(心臓)・呼吸(肺)・消化(胃など)発汗・体温調節・内分泌機能(ホルモン)・生殖機能・代謝等の働きをコントロールしている神経を自律神経といいます。(自ら律する神経なので自律神経という)
自律神経には大きく分けて交感神経と、副交感神経があります。交感神経は主に起きて活動している状態に優位になる神経であり、別名「戦いの神経」と言われています。副交感神経は寝ている時や休息している時に優位になる神経です。別名「休息の神経」と言われています。この交感神経と副交感神経のバランスが崩れると、自律神経失調症となってしまいます。
交感神経が優位になるのは朝起きてから活動しているときです。血圧を上げ全身の筋肉に血流を送り身体を動かしやすくします。脳の血流も増えるので頭が冴えています。心臓も活発に動き、さまざまな動きが出来るように準備しています。ストレスに対し対処するのは交感神経の役割で、ストレスにさらされる時間が多いほど交感神経が優位な時間が長くなり慢性的になると高血圧や動悸などの症状が現れてきます。
副交感神経が優位になるのは夕方〜夜です。全身の筋肉の血流は低下し、心臓はゆっくりと動き、血圧は低下します。脳の働きも低下し、眠くなったり眠ったりします。空腹を覚え、食欲が出てご飯を食べたくなります。消化器官は活発に活動して消化・吸収を行い、交感神経で疲れた身体を休ませてくれます。
食事をすると眠くなるのは、食べたものからの消化・吸収に集中させるために、副交感神経優位となって身体の活動低下と消化器官の活動亢進が起こるからです。そのため食後眠くなるのは普通の反応なのです。
*現在では自律神経系の第三の枝「腸管神経系」というものが認識されるようになってきている。これは食道から直腸まで広く分布していて胃腸の血管運動の調子や運動性を制御し分泌や再吸収の制御を助けている。
構造 | 交感神経の機能 | 副交感神経の機能 |
眼 瞳孔 | 散瞳 | 縮瞳 |
眼 毛様体筋 | 弛緩(遠視) | 収縮(近視) |
心臓 心拍数 | 増加 | 減少 |
心臓 心室の収縮力 | 増加 | 低下 |
肺 気管支 | 拡張 | 収縮 |
肺 腺 | 分泌促進 | |
皮膚 汗腺 | 分泌増加 | |
皮膚 立毛筋 | 収縮 | |
涙腺 | 分泌減少 | 分泌増加 |
唾液腺 | 分泌減少し粘性 | 分泌増加し水様性 |
皮膚の動脈 | 収縮 | |
冠状動脈 | 収縮と拡張 | 拡張 |
気管支動脈 | 収縮 | |
腹大動脈 | 収縮 | |
骨格筋の動脈 | 収縮 | |
消化管の運動/緊張 | 阻害 | 刺激 |
消化管の括約筋 | 収縮 | 弛緩 |
消化管の分泌 | 阻害 | 促進 |
肝臓 | グリコーゲン分解 | |
胆嚢 | 弛緩 | 収縮 |
膀胱の排尿筋 | 排尿にはあまり関係ない | 収縮 |
膀胱の括約筋 | 弛緩 | |
生殖器 | 平滑筋の収縮(射精) | 勃起 |
生殖器 | 血管収縮 | 血管拡張 |
副腎髄質 | 分泌促進 |
自律神経失調症とは自律神経系の呼吸・循環・消化・代謝・体温調節・排泄・生殖などの不随意な機能が障害されることによりさまざまな症状を呈する状態である。
何も緊張する必要がない所で汗をかいたり、心拍数が上がったり・・・
急に立ち上がるとフラフラしてしまったり・・・
頭痛やめまい、耳鳴りに常に悩まされていたり・・・
寝付きが悪く、寝ても小さな物音で起きてしまったり・・・
食欲がなく、食べると胃が痛くなってしまったり・・・
重度の肩こり・腰痛で悩んでいたり・・・
すぐに疲れてしまい、休みの日はずーっと寝てしまったり・・・
などなど様々な症状が出てきます。
自律神経失調症の多くの患者さんは「交感神経優位」の症状が多いです。
交感神経はストレスに対処する神経です。現代の生活様式はストレスが多く、なかなかゆっくりリラックスできなくなっています。そのため自然と交感神経優位の時間が長くなり、心拍数は増加し、全身の筋肉は緊張し、消化器官は活動低下し、眠れなくなり、身体が回復する事が出来なくなり元気が無くなって行きます。
逆に副交感神経優位の自律神経失調症の場合は活動する事が困難になってきます。
家で引きこもりがちになり、テレビを見ながらお菓子を常に食べている・・・
体型は太っていてしまりがない。とにかく動くのが嫌だ。と言った状態になります。
自律神経失調症はストレスが原因の場合が多いのですが、下記に上げるように脳神経などが侵されて発生する自律神経失調症もあります。その場合はそちらの治療を優先することが必要です。
自律神経障害を生じる疾患としてはシャイ・ドレーガー症候群、オリーブ橋小脳萎縮症、線条体黒質変性症、パーキンソン病、レビー小体病、脳血管障害後後遺症、糖尿病性ニューロパチー、家族性アミロイドニューロパチー、ギランバレー症候群、急性自律神経ニューロパチー、薬剤性自律神経障害などがある。
上記以外で自律神経失調症と診断された場合「原因がわからないけど、調子が悪いみたいだから自律神経失調症という病名(厳密には病名ではないが)を付けておこう」という医師の問題があります。
そして精神薬や睡眠薬などを処方され、本当に自律神経が障害されてしまい、自律神経失調症の症状に悩んでいる人がたくさんいます。精神薬の問題は別項にて取り上げたいと思いますが、安易に薬に頼るのは止めましょう。仕事を休み、環境を変えるだけで自律神経失調症が治る人はたくさんいます。
今のあなたに必要なのは「休息」です。ゆっくりと心から休める環境に身体を置いて下さい。
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